春の天ぷら祭り

2012年3月20日春分の日。宮崎県綾町にある賢治の学校で「春の天ぷら祭り」を実施しました。春の野草をみんなで採って天ぷらにして食べてみようというシンプルな企画。当初30名ぐらいの参加を見越していましたが子供もあわせて60名の方が参加してくれました。


綾町で郷土料理を研究している野村美智子先生に野草のレクチャーをしていただいた後、里山と畑の二班にわかれて野草を採りに出発!スペシャルゲストののんちゃん(野添美智代さん)が子供たちといろいろなゲームをして遊んでくれました。


これはなんですか?食べられますか?と先生に教えてもらいながら、すみれ・よめな・ぎしぎし・すかんぽ・つくし・すぎな・よもぎ・ふきのとう・やぶつばき・たんぽぽ・あざみ・からすのえんどうなどなど、みんな楽しく野草を採っていました。


野草を採っている間、賢治の学校のキッチンではRAWさんがみんなのお昼を作ってくれています。さつまいもの天ぷら、ナスの天ぷら、そしてパリパリの特製かきあげ!


採ってきた野草を洗ったらお昼の時間。それぞれ持参したおにぎりと一緒に、お芋の天ぷら・ナスの天ぷら・ハリハリ漬け・かき揚げを食べました。野村先生が作ってくれた歯ごたえがたまらない「くさぎとしいたけの和え物」や美しい「すみれのゼリー」もとてもおいしかったです。


野草の天ぷら以外にもイモリを捕まえたりお約束のどろんこ遊びをしたりして子供たちは自然の中で遊んでいました。


こちらは野草のかきあげ。おいしそう!


お金をかけなくてもこんなに華やかなご飯になるんですね。自然の恵みにありがとうと言いたくなる春の午後でした。

食べもの=自然

食べものは畑でできてスーパーに並ぶもの。
自然は私たちの心を癒してくれるもの。
そんな風に自然と食べものを別のものとして考えていませんか?

食べものも自然。自然も食べもの。

こんな当たり前のことが、効率重視の社会の中で私たちは実感できなくなっています。もし目の前に広がる自然が食べられるものだと知ったらもっと大切な景色になるかもしれません。もっと身近に感じるかも知れません。

祝日法で定められている春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日。この休日に子供たちと野草を採り、私たちの大好きな天ぷらで春の味をいただきました。

食べられるということが分かると、それまで憎らしかった雑草も愛おしく、踏みつけることさえできなくなるから不思議です。散歩をしていても草達の成長がつい気になり、季節の移り変わりをつぶさに感じる自分に気がつきます。春、たくさんの芽が出てきたらどんなに嬉しいことでしょう。

「自然を大切に」と呼びかける環境保護活動。それとは別に、食べることは「命をいただく」ことだと教えられました。よく言われるこの2つの言葉は自分たちが「自然に生かされている」と感じた時にはじめて実感できることかもしれません。

産業と比べると「農業は非効率的」と言われます。でも自然から見れば野草を雑草として無造作に抜いていく畑はとても効率的。雑草の命を大切にしないまま畑の「命を大切に」することはどこか言葉が空回りしてしまいます。

農薬で管理された美しい緑の芝と、整っていないけれど様々な命が育まれた野原のどちらを選びますか?残念ながらほとんどの方が前者を選ぶでしょう。「美しい自然」は人間によって管理された見た目がキレイな自然ではないはずです。

もっと多くの方が野草を食べる喜びや楽しさを知り、本当の意味で自然と向き合えたらもっと心で自然と向き合える気がします。


■企画・協力
講師:郷土料理研究会「杢もく会」 野村美智子
インストラクター:野添美知代
写真:深見 博昭
会場:NPO 賢治の学校
天ぷら:RAKU RESTAURANT RAW(ラク・レストラン・ロウ)


プチ野草辞典

当日名前が出たものを分かる範囲で少しだけまとめてみました!他にも、なばな・せり・よめな・ほとけのざ・あざみ・いたどり・のびる…などなどたくさんありますが管理人が勉強不足だったりいいものが発見できず写真が用意できなかったり。。。あくまで「プチ」なのでご参考までに…(写真:加藤潤一)

ふきのとう

ポツンポツンと地面に華やかに出てくるので春の野草のアイドル的存在。天ぷらが定番です。刻んだふきのとうと味噌を和えた蕗味噌もおすすめ!


からすのえんどう

どこにでも生えているマメ科の植物。若芽を食べてみると少し豆の風味がします。黒い豆ができるのでこの名前になったとか。柔らかくえぐみも少ないのでさっと茹でて和え物などにしてもいいです


ゆきのした

先生が事前に摘んできてくださった野草。天ぷらでいただきました。日かげの湿ったところによく生えています


つくし・すぎな

ご存知「つくし」はすぐ横に必ず生えている「すぎな」の胞子茎。つくしと同じだと知らなかった人も多いようです。すぎなを刻んで天日に干しごま塩で和えたふりかけも食感がよくておすすめです


ぎしぎし

どこにでも生えている草。葉っぱの裏をこすりあわせるとギシギシいうのでこの名になったとか。よく生えている反面あまりおいしくないことから「馬も食わない」とも言われますが、すかんぽよりは食べやすいかも


すかんぽ

「すいば」が正式名称。「いたどり」のことを「すかんぽ」と言ったりもするので少しややこしいです。ぎしぎしと葉の形が似ているものの葉が波打っていて茎が赤く独特の酸っぱい味がします。若芽やトウ立ちした茎をシャキシャキとかじって「ん~すっぱい!」


よもぎ

野草入門編にうってつけ。どこにでも生えていて香りもよく食べやすい。天ぷら以外にも汁物や草餅に。天日干した新芽を焼酎にいれたよもぎ酒も体にいいとか


つわぶき

南九州によく生えている石蕗(つわぶき)。葉っぱがツヤツヤになる前の葉柄を採って甘辛く煮る伽羅蕗(きゃらぶき)などでよく食べられます。よく庭に観賞用としても植えられていますが花は毒があるので食べないように!


はるののげし

単に「のげし」とも言います。葉っぱがチクチクした感じで見た目があまりかわいくなく、豪快に根を張るので雑草としては嫌われ者。緑色の葉ではなくまだ出たばかりの黄緑色の葉を天ぷらにして食べます。なかなか立派な根っこは同じキク科のゴボウのような味でなかなかいけますよ!


はこべ

春の七草の一つ。畑などに群落になって生えています。新芽やつぼみを摘んで天ぷらに。さっと茹でて和え物にしてもいいかも。うさぎさんが大好きです。


びわの葉

天ぷら祭りではお目にかかれませんでしたがびわの葉の天ぷらも美味です。まだ柔らかい葉を天ぷらにするとサクっとした天ぷらの衣と肉厚な葉の柔らかい食感がたまりません!摘みすぎるとかわいそうなのでひとつの集合から1、2枚程度にしましょう。


ミント

どこにでも生えてるミント。摘んだものをそのままお茶にすればミント茶に。さわやかな香りとまろやかな味が気持ちいいです。料理やデザートのあしらいにも


たんぽぽ

写真は和製タンポポ。葉っぱは天ぷらはもちろんサラダや和え物に。花も食べられます。根はキンピラにしたりカフェインレスのたんぽぽコーヒーも有名ですね。茎は笛として遊んだり綿帽子を吹いて遊んだり…とても身近な野草です。結構根が深いのでシャベルを使ったほうがよさそう