2012年12月30日、宮崎市内の平和台公園にて「もちもちみそか」が行われました。
お金で形だけ整える正月ではなく、自分の手で準備をして心の芯から新しい年を迎えようという呼びかけに、あいにくの雨にも関わらずたくさんの方が集まってくれました。
男性はおもちをつき、女性はお餅を丸めます。その様子をじっと見つめる子どもたち。
一方外では、野菜や年越しそばを販売する年の瀬市場、しょうが湯・緑茶・コーヒーなどの温かい出店で賑わっていました。
新富町からきてくれたお茶の生産組合「茶MEN'S」は、お茶農家さんが目の前でお茶をいれてくれていました。「緑茶」という出店自体珍しいですが、販売する側にとってもお客さんを前にして販売することがこれまでほとんどなく、お互いにとっていい機会だったようです。
当日自由参加のしめ飾りづくりは野良コンでインストラクターをしてくれたジョーくん。子どもたちも興味津々で教わっています。
門松づくりはプロの造園屋集団が担当。最初の打ち合わせでは「あくまで体験レベルなので簡単なもので・・」と話をしていたのに、やっぱりプロは手が抜けません(笑)。購入したら7,000~8,000はするであろう立派な門松を半分以下の値段で、しかも自分で作らせてくれるということで多くの方が門松を作りにきていました。※ちなみに2つで1組。
最後はつきたてのお餅でせんぐまき。せんぐまきってどうしてこんなに楽しいんでしょう。人数も少なくなっていたので、お父さんお母さんが子供達がお餅を拾う姿を撮影できるぐらい、とてもほのぼのしたせんぐまきでした。今日は集まってくれてありがとう。おつかれさまでした。
一年の終わり。様々な家族が一同に集まり正月を迎える準備をする。たったそれだけのことなのに、こんなにも一体感を感じるのはなぜなんでしょうか。
威勢のいいもちつきの掛け声、楽しそうな話し声、子供の泣き声や慌ただしいお母さん達の声。
臼をつくコン、コンという音が、同じ場所、同じ時間を生きていることをひとつひとつ確かめているようでした。
お互いの近況を話しながら、お父さんたちは力強くお餅をつき、お母さんたちはお餅を丸める。その姿をじっと見つめる子どもたち。
核家族化がすすみ、餅つきをみんなですることはなかなかなくなってしまいましたが、一年に一度、こうして集まれる場をつくり、お互いの存在を確かめ合う時間を大切にしていきたいと思います。
本来の正月
三十日は「晦日」と書いて「みそか」と読んだりもしますが、この漢字は「つごもり」とも読まれます。
太陰暦では30日は月が完全に隠れる日。月隠(ごも)りが転じて「つごもり」となったようで、「晦」という漢字は「目を晦(くら)ます」などで使われる漢字。
毎月「晦日」はやってくるわけですが、1年の最後の晦日に限って「大晦日」と呼んでいました。しかも日が暮れたその時が以前は正月だったようです。
つまり月が隠れる暗い夜におごそかに正月を迎えていたということ。除夜の鐘、初詣、初夢・・・そう言われるといろいろ納得が行くものが多いですね。
門松・しめ飾り・鏡餅の意味
スーパーでは正月前になるとプラスチックケースに覆われた小さな鏡餅が大量に売り場に積み上がります。しめ飾りも、誰が作ったのか分からないものを購入。門松を飾る家は滅多にみかけなくなりました。
本来、これら全ては「歳神様」を迎えるためのものなのです。神様が降りてくる時に目印になるのが門松、神様が入るところを神聖な場所として結界を示すのがしめ飾り、迎えた神様の依り代となるのが鏡餅。歳神様を迎え、家族みんなで神様とご飯を食べるのが日本の正月。
一年に一度、芯を通す日。年神様の依り代を作っているようで、実は自分たちの心の依り代を作っているのかもしれません。
幻の正月飾り
門松づくりでプロ根性丸出しだった造園組合さんでしたが、会場となった場所の中心に据えたモニュメントにも気合を入れてくれました。
来場してくれた子どもたちを中心に、来年の抱負として願い事を短冊に。雨が止んでからスタッフの手でモニュメントにくくりつけられました。
こんなに立派で素敵なモニュメント・・・正月が終わるまで飾っておきたいところでしたが、風などが吹いて倒れてしまう危険性があったためイベント終了後は即座に撤去。
見に来た人も作った本人達も「もったいない」という想いでいっぱいでしたが、安全を考えすっぱり撤去するところもやっぱりプロの仕事。なにせかっこよかったです。
Photo Report
企画・協力
もちつき補助・ふるまい:永山裕人 荒武幸恵 野崎さゆり 唐津昌代 堀内ミキ子 脇田智生 大泉布美子
門松づくり・モニュメント製作:馬原久幸(馬原造園建設) 漆野和久(福冨造園) 馬登誠(洸樹園) 松浦龍次郎(生目緑地建設) 児玉清和(文明園) 西府隆行(東海造園土木) 野崎裕文(野崎造園土木) 浜砂良平(浜砂緑樹園)
しめ飾りづくり:小川ジョー 酒匂綾
年の瀬市場:宮崎アグリアート 山口農園 郡農園 がまこう庵
出店:新富町「茶MEN'S」 RAKU RESTAURANT RAW くるりカフェ
後援:ひむか村の宝箱 オーガニックレストランsizen
協力:21世紀跡夢会
主催:馬原造園 もちもちみそか実行委員会
あなたのところでももちもちみそかを!
このイベントはより大きく盛大にしていくことが目的ではありません。小さくても全国いろいろな場所で行われるようになり、より多くの人が大切なものを見つめなおすきっかけとなれれば本望です。
もし共感していただけたら是非あなたのところでももちもちみそかを実行してください。その際このページが少しでも参考になれれば幸いです。
今回使用したロゴデータを提供いたしますので必要であれば活用して下さい。著作権は放棄しませんが、非営利目的であればどなたでも無料で使用可能です。開催の際ご一報いただければ野良!のページでも紹介させていただきます。