野良コン#1 LOVE TREKKING + 蛍

開催レポート

残念なことに当日はあいにくの雨!順延も考えたけれど蛍を見ることができる季節は今だけ。延期しても梅雨でまた雨になるかもしれないし、降ったり止んだりはっきりしない天気だけど、このイベントのテーマ「自然への畏れ」を感じるためにはむしろ好都合!?…と、スタッフ3人気合を入れて決行しました。

野良コンを一緒に企画して当日も進行をしてくれたのは近くのキャンプ場で働くジョーくん(以下キャンプ・ジョー)。みんなが仲良くなるレクレーションをたくさん知ってる頼もしいアニキです。そして金融機関に勤めているいつも気合が入ったショーくんもスタッフとして来てくれました。ちなみにジョー&ショーは2人とも20代前半です。

今回は男女それぞれ9人の参加申し込みがありましたが、雨で当日参加取り消しされた方が男子4名女子4名、迷って辿り着けなかった女子が2名(本当に悔やまれます。。)…最終的に男子5名女子3名での開催。少ないけど少ない方がラブ度もアップです!

登り口にある広場に集合したときはみんなドッキドキ。簡単な自己紹介のあとはキャンプ・ジョーお得意の面白レクをいくつかやって緊張の壁を取り払っていきます。

お互いの呼び名を覚えて緊張もほぐれたところでいよいよトレッキング開始!頂上まで500段ある階段をみんなで休み休み登りました。本当はここで女子の荷物を持ったり男子力を発揮するところ!…なんですが雨だったこともあってそういった光景は残念ながら見られず。まぁ出だしでいきなり世話を焼くのもちょっとやりすぎ感あるかもしれないです。

300段ぐらい登るとちょっとした広場に。ここでまたまたキャンプ・ジョーの面白レク開始。目をつぶってみんなで一列になり前の人の肩に手をかけて登っていきます。そう、これはこれから訪れる暗闇の疑似体験。頼りになるのは足元から伝わってくる地面の感覚、前を歩く人の体の動き、「手すりがここでなくなるよ~」などの声。いつも視覚に頼っていることでいかに五感を感じていないかがよくわかります。

そうして登っていってキャンプ・ジョーの合図でみんな目を開けると…そこは見晴らしのいい展望台でした。

しばらく暮れていく宮崎市内を眺めたあとはさらに頂上を目指します。さらに50段ぐらいの階段を上るとやぐらが。

定員3~4名しか登れないというキャンプジョーの説明(すみません勝手に決めました!)のあとはフリータイム。みんなで順番に登って青島までみえる絶景を楽しみながらいろいろと話しました。

陽が落ちて景色が暗くなりはじめたころ、お腹もすいてきたので先ほどの展望台に戻って夕食タイム。今回は「おにぎり持参※一品持ち寄り大歓迎」とチラシに書いたのでここは女子力の発揮どころ!いろいろみんなおかずを持ってくるだろうから…とフルーツを持ってきてくれた子も!意外に近くの飲食店で働く男子がお店のものを持ってきてくれたり、スタッフのショー君が糠漬けを持って来たりでにぎやかな食卓が出来上がり。景色を見ながらランタン囲んで話が弾みました。

職業など自己紹介では分からなかった部分を突っ込んだり、話してみたら実は共通の知り合いがいたりでテンションあがります。やたら話の内容を携帯でメモるRくんにみんな大うけ。花火の話とか楽しい時間を過ごしました。そんなこんなでごはんを食べながらみんな話に夢中になってますが気が付けば辺りは真っ暗闇。

さてそろそろ下山しましょう!
雨ということもあって月明かりもなく真っ暗闇。ここから仲良くなったみんなをあえて引き離して一人ずつバラバラに歩いてもらいます。下の写真は少しまだ明るい時に撮った写真。月明かりさえ届かない森の中はホントに真っ暗。この中に入ったところまで一人ずつ森の道を50mほど歩いてもらいました。

一人なるとそれまでみんなで過ごした夕食の時間が温かい時間として蘇ります。このイベントが終わったらみんなまた暗闇の中バラバラに帰っていく。少しそんな儚さも感じながら夜の森を一人で歩いてもらいました。心細いけど、この暗闇の先にいる仲間たちのもとへ。

辿り着いた闇の中で蛍を見ました。雨の日はあまり光らないのですが、短い命が終わりそうな蛍が最後の力を振りしぼっているのかもしれません。

来た道とは違う舗装された安全な道で山を下ります。もちろんここも街灯はなく真っ暗闇。時折、山の上で見た蛍とは違う種類の蛍が目の前を通り過ぎていきました。最初に出会った広場に辿り着いてみんなでランタンを囲みながら今日を振り返ります。ここにも街灯はありません。

「子供の頃のような純真な気持ちになれた」「蛍がキレイだった」「またやってほしい」など、夕食の時のにぎやかな雰囲気とは違って心に沁みる言葉をかけあって解散。「またやってほしい」は「また会いたい」だった気もします。連絡先を交換した後はみんなまたバラバラに暗闇に消えていきました。

自然への畏れ☓恋

どこへ行っても街灯がついていて、自然への畏れを感じることができなくなってしまった現代社会。私たちは自然への敬意を失ってしまっただけではなく、本能的な感覚も失いつつあります。情報だけが支配する社会で本当の恋が生まれるでしょうか。

夕方に集まりトレッキング(軽いハイキング)をすれば絶好の景色。自然に包まれた癒しの空間を楽しんだら山でご飯を食べて日が暮れるのを待ちます。

徐々に辺りを支配していく闇。私たちは何を感じ、何を想うでしょうか。きっとそこで出会うのは、現代社会では気付くことができない本当の自分、本当の心。

蛍が光で恋をするように、闇の中で自分の心を灯せば見えなかった光も見えてくるかもしれません。

自然の本来の姿、そして眠っている自分の心を呼び覚ます「野良コン」を雨の中開催しました。


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イベントを終えて

目の前にいる人を何で判断しますか?顔、声、しゃべり方、仕事、収入、趣味、服装…いろいろありますが、心でその人の存在を感じたことがあるでしょうか。

闇が怖くて私たちはたくさんの光を道に灯しました。夜になっても月明かりさえ届かない闇を探すのは至難の業です。

電気が何もない真っ暗闇の世界を想像してみてください。 自然の中で私たち一人ひとりの心はどんなに無力で臆病なのかがよくわかります。

その畏れの真っ只中で傍にいてくれる存在。囲炉裏のように同じ灯りを囲う仲間、家族。 本来私たちは互いに互いを想いあう生き物なんだという当たり前のことに気が付きます。

「今そこにいてくれてありがとう」

そう言いたくなる時間の中で、はじめて自分と「合う」「合わない」という心の違いも見えてくる気がしました。 「合わない」部分も愛おしく思えるから不思議です。

開催前はもっとドキドキした雰囲気になるだろうと思っていたのですが、闇の真っ只中で同じ光を囲うと性別や年齢を超えてなんだかみんな家族のようでした。みんな子供のように正直で、初めて会ったはずなのにずっと前から同じ時間を過ごしてきた人のよう。ここからカップルが生まれるのかどうかわかりませんが、それよりも大切なことを教えてもらった気がします。