2012年12月1日。自分たちの手で収穫したみかんと、収穫中の写真にメッセージを書きこみ、離れて暮らす大切な人へみかんを届けました。
17組54名の参加者と収穫の応援に来てくれた15名、総勢70名以上の方がみんなで協力してみかんを箱に詰めていました。
みんなの送りたいみかんの総数は700kg超。コンテナにしてなんと40個以上のみかんを収穫しなければなりません。午前中に収穫、午後には発送ということで約2時間半という短時間で男性陣が頑張りました。
当日は晴れたものの、前日はあいにくの雨。みかんが雨露でびっしょり濡れています。とってもおいしそう!・・・ですが、これをこのまま詰めてしまうと腐ってしまいます。
「最悪のコンディションだ」
このみかん園を管理している早川農苑の福本先生がこの状況を見て言いました。そんな先生の心配をよそに、いつの間にか収穫したみかんを置く場所、それを拭く人、箱をつくる人、みかんを詰めて重さを量る人・・・と自然と持ち場が決まっていました。
手にとったみかんは自分が送るみかんになるのか、あるいは誰が送るみかんになるのか当然分かりません。そして誰のもとに届けられるのかももちろん分かりませんが、みんな楽しそうに話しながらひとつひとつ丁寧に箱に詰められていきました。
今年のみかんは少しこぶりでしたが本当に甘くておいしいみかんになりました。枝から獲ったばかりのみかんは「冷たい!」と叫びたくなるほど冷えていて本当においしいかったです。子どもたちはみかんを食べながら走り回っていました。
何が大変って運ぶのが大変なんです。低いみかんの木の枝をくぐりながら、20kg近いコンテナを持って登っていくのはやはり男性の出番です。
お昼、各自持ってきたお弁当を公園で食べた後は収穫中の写真にコメントを書いて、みかんと一緒に想いを詰め込みました。
こうして詰められたみかんの箱は全部で83箱。関西へ、関東へ、東北へ。離れて暮らす大切な人のこたつのうえに、みかんは旅立っていきました。
本当の「おいしい」を届けたい
2011年12月、野良!の第1回目のイベントとして「とどけこたつみかん」は開催されました。
当初は震災からまだ1年経っていないこともあり、東日本から避難・移住してきた人たちが、今まで一緒に暮らしていた家族、友人に想いをみかんにのせて届けました。
政府の発表や報道に疑心暗鬼になり、心が刺々しくなっていたあの頃。この食べ物は安全なのか、危険なのか・・
そこにポッと差し出されたオレンジ色に輝くみかん。情報に撹乱される日常の中で、それはまぎれもなく「おいしい」みかんでした。
子供のように無邪気に食べ物が食べられるありがたさ。それを知ると同時に「おいしい」の価値観もなんだか変わった気がします。「食べる」という事に対して、それまで私たちはどれだけ「情報」に振り回されていたことでしょう。
「おいしい」って本当はもっともっとシンプルなこと。安全・安心な「情報」よりも大切なことがきっとあります。
自分が送ったみかん。なんて言ってもらえたら嬉しいですか?
Photo Report
企画・協力
みかんと一緒に入れた紹介
あなたのところでも野良配りを!
このイベントはより大きく盛大にしていくことが目的ではありません。小さくても全国いろいろな場所で行われるようになり、より多くの人が大切なものを見つめなおすきっかけとなれれば本望です。
もし共感していただけたら是非あなたのところでも野良配りを実行してください。その際このページが少しでも参考になれれば幸いです。
今回使用したロゴデータを提供いたしますので必要であれば活用して下さい。著作権は放棄しませんが、非営利目的であればどなたでも無料で使用可能です。開催の際ご一報いただければ野良!のページでも紹介させていただきます。